秘蜜の秘め事
「へえ、そうなんだ…」

きぃちゃんはそう返した。

顔をあげてきぃちゃんに視線を向けると、彼はアイスティーを口にしていた。

よかった…。

ごまかせたみたいだ…。

わたしはきぃちゃんに気づかれないように、ホッと胸をなで下ろした。

「そのカナコちゃんって言う子、元気?」

そう聞いてきたきぃちゃんに、
「うーん、最近は連絡を取りあってないからなあ」

わたしは言葉を濁しながらアイスティーを口にした。

真の名前を出したって、きぃちゃんは怒らなかったと思う。

そもそも“真”と言う名前自体、中性的な名前だ。

名前で彼が男か女かなんてわかる訳がない。

夢の中の出来事が強過ぎて…きぃちゃんの前で真の名前を出すことができなかった。
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