秘蜜の秘め事
「えっ…ああ、そうか」

東は眼鏡をあげて、出席簿の確認をしていた。

「男のフルサワマコトと女のフルサワマコトがいるんだったな…。

あ、今のは男の方。

古沢真!」

「えっ、あ、はい!」

東が慌てたように僕の名前を呼んだので、僕も慌てて返事をした。

これが、僕と同姓同名である彼女の出会いだった。


教師が僕たちを間違えるのは、日常茶飯事だった。

「えー、次の問2の問題を…フルサワ」

「フルサワさんは2人います」

「じゃあ、フルサワマコト」

「フルサワマコトも2人います」

「あ…女の方のフルサワマコト」

と言う具合に、間違えるのは当たり前だった。
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