青い猫の花嫁
爽子の大きな瞳が、どんどん潤んでいく。
「真子ちゃんが、約束の相手だって知ったのは、正宗さんに言われた後だったの。言い訳なんておこがましいけど、それだけはちゃんとわかって欲しくて。あたし、これからも真子ちゃんと友達で、いたい……こんな、物憑きのあたしだけど……友達でいてくれないかな……」
そう言って唇を噛みしめた爽子。
泣き出しそうな爽子に、胸の奥がじんわりあったかくなる気がした。
今までギュッと固まってたものが、溶けだしたみたいな。
「爽子」
あたしの声にビクリと震えた爽子の肩は、いつもよりも華奢に見える。
「あたし……まだね?その約束が一体なんなのかわからないし、これからどうすればいいのかも、わからない……。 でも、あたしにしかできないことがあって、爽子たちを手伝えることがあるなら、力になりたい。
あたし、爽子の事大好きだよ?
ごめんね、今まで気付いてあげられなくて」
爽子は、爽子達は今まで苦しんでいたのに……。
「っ、真子ちゃん……」
ガバッと椅子から立ち上がった爽子は、そのまま飛びついてきた。
肩口でまるで子供のように泣く爽子。
ふと視線を上げると、隣にいるトワが優しく目を細めていた。