青い猫の花嫁

「思ってる事、カナトくんに話した?」

「え?」



目を瞬いた爽子。
あたしは、爽子の華奢な手をギュッと握りしめた。


「いくら大好きでも、お互い想い合ってても。
ずっと仲良しだったとしても……限界があると思う。
だから、分かり合う為に、言葉にして伝えなくちゃ……。言わないで後悔しないで?
わかってもらおうなんて、思わないで。傷つくの、怖がらないで。ね?」


それは……まるで自分に言い聞かせてるみたいだった。

いつかのあたしが、言葉にしなかったことを、後悔していた事。
ほんの少しの勇気を出したら、未来が変わっていたかもと、思った事。


「あたしも、頑張る。爽子たちが幸せに暮らせる未来が来るように、絶対なんとかするから」

「真子、ちゃん……」






ぜったいぜったい、頑張るから……。


好きな人を忘れるなんて、そんな悲しい未来にならないように。
きっと……。


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