青い猫の花嫁

手元の紅茶を見つめたまま、知らないうちに眉間にシワが寄ってたみたい。


ヒョイっと廉次さんの綺麗な顔が、覗き込んできた。
そして、クイッとその唇が持ち上がる。


え、なに?


「そうだ。真子ちゃんもおいでよ」

「…え?」
「廉次?」
「なんでっ!?」


ガタッと立ち上がったナギさんの隣で、トワが目を見開いた。

あたしが何も言えないでいると、廉次さんはどんどん話を進めていく。



「ね、トワ。その方がいいでしょ?後より先の方がいいって」

「ちょ、廉次。何言ってんの?そんなの無理に決まってるじゃん」



明らかに怒った声。

トワの透明な水のような声が、低く唸る。

信じられないと、表情を強張らせるトワ。その隣で立ち上がったままナギさんがストンと椅子に腰を落とした。



「正兄様に怒られちゃうよ?」



腑に落ちない様子でそう言って、ナギさんは紅茶をゴクゴクと飲み干した。

そして、当の本人を置き去りにして話は進み。
あたしは三國のお花見に参加するはめになってしまった。



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