青い猫の花嫁
「ちょっとアンタたち!トワが特別だからってヤキモチやかなでよね」
少しの沈黙のあと、仁王立ちで彼らに向かって行ったのは、ナギさんだった。
特別?
ただ黙って成り行きを見守るしかなくて。
「はあ?ヤキモチだぁ? 誰が……。お前らも同罪だろ!お前がいるから、三國はこんな事になってんじゃねぇの?」
「……。うるさいわね。いい加減その口閉じないと、ひどいわよ」
話が見えない。
三國……この家の人たちの事?
この人たちは一体、何を……。トワが猫に変身しちゃうのと関係あるんだろうか。
郁くんも、カナトくんも黙ったまま。
何かに思いを巡らせているようだ。
「まあまあ、そんなにいがみ合わなくてもいいでしょ、それも全部もう少しなんだ」
重たい空気の中、それを打ち消すくらいの明るい声。
ハッとすると、廉次さんがナギさんと対峙する彼らの間に割って入った。
もう少し……
その言葉に、前に正宗さんに言われた言葉がふと蘇ってきた。