青い猫の花嫁
『来年の元旦までに、トワと契りを交わして下さい』
あれと関係があるんだろうか。
なんにしても、トワの存在は、この家では異質のモノらしかった。
「こんな所で何してる? 始めるぞ。そしてさっさと帰るぞ」
え?
背後から凛とした声が響き、みんなが小さく跳ねた。
と、いきなり肩を抱かれ、廊下の隅に追いやられる。
ハッとしてみると、肩に手を回したのはトワで、自分の体で誰かからあたしを隠すようにした。
その直後、さっきの声の主があたし達の横を通り過ぎた。
「おう、トワ。何年ぶりだ。ずっと顔見ないから死んだと思ってた」
「ヒドイな、総司朗さん。勝手に殺さないでよ。俺は元気」
わッ
さらにギュッと廊下とトワの間に追い込まれる。
顔は見えないけど、トワから爽やかな空気が放たれた。
……え、ここで猫かぶってる?
顔が見たくても、見えずにただじっとしてるといきなり誰かに腕を掴まれた。
「ひゃ!」