WITH


部屋に入りコートを脱ぎ捨てると、制服のまま勢いよくベッドに突っ伏した。


一人になると、また恐怖が襲ってくるような気がして……それに耐えるように、私は目を閉じて枕をギュウッと抱き締めた―――







気が付くと、部屋の中も窓の外も暗闇が広がっていた。


あのまま寝てしまっていたらしい私はゆっくりと起き上がり、寝起きで働かない思考のままぼんやりしていた。


あれから、何時間くらいたったんだろう―――?


いつの間にか夜になっているというのに、未だ廉は来ていない。


窓際のカーテンの隙間から見える儚げに輝く月が、部屋の中を微かに照らしていて……そのほのかな輝きに、癒されていくような気がした。



< 100 / 350 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop