WITH
部屋に入りコートを脱ぎ捨てると、制服のまま勢いよくベッドに突っ伏した。
一人になると、また恐怖が襲ってくるような気がして……それに耐えるように、私は目を閉じて枕をギュウッと抱き締めた―――
気が付くと、部屋の中も窓の外も暗闇が広がっていた。
あのまま寝てしまっていたらしい私はゆっくりと起き上がり、寝起きで働かない思考のままぼんやりしていた。
あれから、何時間くらいたったんだろう―――?
いつの間にか夜になっているというのに、未だ廉は来ていない。
窓際のカーテンの隙間から見える儚げに輝く月が、部屋の中を微かに照らしていて……そのほのかな輝きに、癒されていくような気がした。