WITH


随分長い間、“クリスマス”なんていう行事に関わっていない私は、興味を引かれることもなく素通りし、視界の端へとそれらを流す。


専門学生の時は飲み会に参加したりしていたけれど、就職してからはあえて夜勤を入れてもらっている。


クリスマスに夜勤なんかしたくない同僚達からは、有り難がられるけれど……


いい加減、“寂しいヤツ……”なんて思われていたりするかもしれない。



(今年も例外なく夜勤だけど、ね……)



そんなことを思っている間に大通りまで来ていて、私はタクシーを捕まえて乗り込んだ。


移り行く景色を車窓からぼんやりと眺めていても、無意識に廉を思い浮かべてしまっている自分に呆れて、大きく息を吐き出した。


まったく会わないでいた廉よりも、明らかに他の男といる時間の方が長いはずなのに、私が廉を忘れられないのはなんでなんだろう―――


これ以上何をどうすれば、私の心が廉から離れられるのかわからない。


潤み出す視界と共に嗚咽が漏れそうになって、私は必死に唇を噛み締めていた。


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