WITH
「こんな話、聞きたくないんじゃない……?」
思いきって口を開いたのに、呟くようにしか声は発せられなくて、私の視界はまた潤み出す。
そんな私を見て、晴哉はにっと笑うと
「いーや?紗和ちゃんのことなら、なんでも聞きたい……」
そう言ってくれた。
私は晴哉の肩に顔を埋め首に腕をまわして、更に涙を溢れさせてしまって……晴哉は、ただただ頭を撫でてくれていた。
涙も止まり落ち着いた頃、私は廉とのことをすべて話した。
中学生の時、友達だったことや卒業の日の告白、高校生の時の順調な付き合いや蜜華さんと初めて会った日のこと。
奇妙な手紙と、交差点と駅のホームで起きた事故。
その後の別れと、廉を忘れようといろんな男に抱かれたこと。
それから―――
同窓会での再会……そして、不倫―――
「……あとは、晴哉も知ってる通り」
すべてを話し終えた頃には、陽も傾きかけていて……誰もいなくなった公園には、涼しげな風が吹き始めていた。