WITH
「……抱いていい?」
唇が離れて荒い呼吸を繰り返していると、切なげな表情で問い掛けられて……私は頷きながら、晴哉の首へ腕を絡めた。
壊れ物を扱うように丁寧に愛されて、愛の言葉を囁かれたら……甘く溶かされていく。
二人両手を握り合って名前を呼ばれる度、胸には甘い痛みが走って……
心も体も満たされた瞬間……
私は意識を手放していた―――
目が覚めると、淡い照明が暗い部屋をほんのりと照らしていて、私は晴哉の腕に抱き締められていた。
晴哉の温もりに包まれて幸せを満喫していると、ウトウトと眠気が襲ってくる。
ぼんやりとした意識のまま、薄明かりに照らされて眠る晴哉を見つめて、さっきの言葉を思い出していた……
“オレの子供、生んだら……”
なんて、夢みたいな言葉が今でも信じられない。
嬉しいけれど、本気なのか冗談なのか……表情だけでは掴めない本心が知りたいよ……?
晴哉の温もりの中、そんな思いを浮かべながら、もう一度眠りに落ちていった―――