WITH
「離婚したって、どういうこと?」
「……そのまんまだけど」
静かに抑揚の無い声で返されて、冷たい視線を廉に向けてしまった。
「そのまんまって……蜜華さん、妊娠してるんでしょう?なんで、そんなことが出来るのよ?」
腕を組んで木に寄り掛かった廉の髪は、陽の光を受けて、いつもは茶色い髪の毛もオレンジ色に輝いていた。
そんな彼の無表情が崩れて、一瞬、眉を寄せた。
「……誰から聞いた?」
「蜜華さん……」
「いつ会ったんだよ?」
「……廉と別れる前」
淡々と交わされる会話も、会話と言えないくらいに廉から一方的に聞かれるばかりで、私の問い掛けには答えてくれていない。