WITH
―――そうだったんだ。
蜜華さんは、廉が好きで欲しくて欲しくて……
“可愛さ余って憎さ百倍”って、こういうことなのかもしれないね?
だからといって、蜜華さんのしたことを許せるわけじゃない。
私は本当に危ない目に合っていて、駅でだって……啓祐が一緒にいなかったら、私は間違いなく死んでいた。
「廉は……、そんなことをした蜜華さんを許したんだね?
だから……、私と別れて蜜華さんを愛したんでしょう?」
「……違う。
俺は、蜜華を愛したことなんて無い……」
「何……、言ってるの……?」
声が震える……
7年前、別れを告げられた時からずっと……廉は蜜華さんを愛しているんだと。
幸せな結婚生活を送っているんだと信じて疑わなかったのに……どうして?