WITH
そんな私を見た晴哉は大きく息を吐き出した後、口を開くとゆっくりと穏やかに話し出した。
「それじゃあ……廉が好き?」
暫し考えて……コクンと頷く。
「オレのことは、好き?」
もう一度、頷く。
二人とも好きなんて……
私、最低だね?
「オレは、この先もずっと紗和ちゃんを離すつもりはなかったんだけどさ……
紗和ちゃんが好きだから……
オレでもアイツでも、紗和ちゃんが一緒にいたいと思う方を選んでいいよ?」
なんで、こんなに優しいんだろう……
これ以上ないくらいに優しいこの人を、私はどれだけ傷付けた?
「晴哉……」
「……ん?」
晴哉を真っ直ぐに見つめて、
私が出した決断は……
「私と別れて……?」