WITH
数分後――…
可笑しくもないのに無駄に明るい声で話し終えた私に、
「無理すんな」……そう言いながら、頭をポンポンと撫でられ、泣きそうになってしまう。
どんなに隠そうとしても、
もう何回も啓祐に慰められてきたんだからバレちゃうよね……
「―――結局、
紗和にとってアイツ以上がいない、……そういうことだろ?」
啓祐が静かに言った一言に、
前を向いていたはずなのにまた俯いてしまう。
私は……
やっぱりアイツを、
“廉”を……
ずっと忘れられないままなのかな――…