先輩と私と。
本当は、授業中にでも読みたいんだけど、






ちょっともったいぶってみて、家で読むことにした。





だから、下校が待ち遠しくて仕方ない。






遠くから聞こえる、百合のソロの音。






いつもは心地いいのに、今日はそのゆったりとした音楽を急かしたくなる。








あまり身が入らないで、時計ばっかり気にしている部活になってしまった。










「莉生先輩!!!」





由梨華ちゃんが怪しい笑顔で近づいてきた。








「何?」





「手紙、読みました?」





「あぁ、読んでない。家で読もうと思って。どんなこと書いてあったの?」








「どんなこと.....。えぇと、生徒会頑張ってねってカンジの事だけです」








「へぇ.....それだけ....?」







それにしては、封筒が分厚い気がした。






そんなこと、便箋1枚で書けそうなのに。







何を長々と語ったのだろう、考えていた。





「あぁ、それで、何か用あったの?」







忘れていた由梨華ちゃんから来るはずの何かの質問。







「いや、ヤマキ先輩が、莉生先輩の手紙には変なこと書いてありそうだから、聞いて、と言われたので」







「ヤマキの話は聞かなくていいんじゃない??あほらしいこと多すぎ」







クスクスと笑っていると、







「でも私、面白いと思いますよ」





そう私を否定した由梨華ちゃんの顔は






気のせいなのか、夕陽のせいなのか、少し赤かった。




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