先輩と私と。
ゆっくりと、でも確かに目を開けると、




もっと顔を赤くした零がいる。




そこでやっと私は我に帰るんだ。





ハッと口を押さえて、




俯く。




零の顔など、見れやしない。





「...じゃ、帰るな」





零は優しい声で



でも茶化すように私の頭をフワッと触って、





余裕そうな態度で歩いていってしまった。






「ヤバ...」




家に入れずに、




口を押さえながら呟く。




「ど、どうしよう.....」





後悔などはないけど。




でもやっぱり動揺はあるんだ。






「き、キス....しちゃったよ.....」





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