もう一度愛を聴かせて…
   ◇


三日後、橘さんはふたたび訪ねて来た。

会いたくなかった。彼が怖かったからだ。でも、扉を開けた途端、彼はポーチの石畳の上にいきなり土下座していた。


「申し訳ない。俺が全部悪いんだ。この通り、どんなことでもする。どうか許してくれ。頼む。本当にすまなかった」


そう言うと、地面に額を擦りつけ、ひれ伏したまま動かなかった。

わたしは胸が苦しくなって、


「もう、いいです。やめてください」

「僕のこと、許してくれる?」


わたしは静かに首を横に振った。


「勝手に勘違いして……愛されてるって思ってた、わたしが馬鹿なんです。だから、もうやめてください」



三日間、頭の中から離れない言葉がある。

それはわたしの心を引き裂いた言葉――


『好きじゃない。誰が、おまえのことなんか……やりたかっただけだ。コレのために、付き合ってやっただけだ』


「そうじゃない、そうじゃないんだ! 君が好きだ、本気で将来のこと考えてる。大事にしたいってそう思ってるんだ」

「だったら……だったらどうしてあんなこと」


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