イケメン女子の学園生活2

野外活動―1日目―



〜イヤホン君 side〜



ありえねー



あ?

何がって、族なんかと一緒にいるこの状況が、だ




『…で?』

「だからぁ…ワンちゃんに追い掛けられてぇ……」

『で?』

「逃げてたら遅れましたぁ…」



チッ…何がワンちゃんだよ

ふざけた事をぬかすこの童顔は族の幹部のクソ



んで、今日は野外なんだけど、黒崎がキレてんのは、コイツ

この童顔が遅れたせいで俺らがペナルティを食らったから




『ペナルティじゃねー。まず、待たされた事がムカつくんだよ』

「あっそ」

「わぁー!さっくんごめぇぇん!!」



俺は普通に両方ムカつく

族は嫌いだ


滅べ



『反省しろ、泪。あとイヤホン君にも謝れ』

「はぁい…」



イヤホン君って何だ

俺にはちゃんとした名前があ…


って!


「待て!近寄んな童顔!」

「近寄んないと謝れないじゃあん……童顔?」

「じゃあ謝んなくて良い。近寄んな」



近づいてきた童顔からスススと後退して離れる


うぇ…せめて2メートルは距離を取らねーと死ぬ

今も鳥肌がすげー



『何言ってんの?』

「……つーか!早くペナルティ終わらせねーと!」




ひきつる顔で必死に話題を変える



『…あーうん。てか、疲れた』

「さっくん腕痛いよぉ…」

『頑張れよ。男だろ』



いや、童顔は本当についてんのか分かんねーぞ






俺達が課せられたペナルティは、クラス全員分の飲み物調達

缶の小さいジュースとはいえクラス全員。それはもう、重たい


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