I love you~最初で最後の恋~




「それで、代わりにくる先生はなんと!」



バサ_______



滝川先生が名前を言う前に、持っていた教材を床にぶちまけてしまった。



「失礼しました」



校長室から出てくる人を見たからだ。



「あ、伊達先生!お久しぶりです!!」


「あ、お久しぶりで______」



滝川先生の声でこちらを見て、私に気付くと台詞が止まってしまった。



全然変わってない。



肌の張りがちょっと老けた?と思うが、昔と同じままで



大きく変わっているのは髪が短くなっただけ。



「増、井・・・・・・?」


「そうだよ、先生」



薄く笑みを浮かべてみせた。



「ビックリですよね。あの増井さんが教師になっただなんて」



滝川先生の酷い台詞を受けながら、落ちた教材を拾い上げる。


手伝ってくれた七海先生の視線を受けながら。



「えぇ、人違いかと思いましたよ」



一度大きく深呼吸をすると、立ち上がった。



「ちょっとした気紛れ。まさかこの学校で先生と再会するとは思ってなかったよ」

< 346 / 403 >

この作品をシェア

pagetop