♡ワケあり彼女と極秘恋愛♥
「楽しかった、けど……、」
──何でそんな言い方するの?
「やっぱり。手繋いだりとか、普通だったし」
「あれは……」
「相手があんなにカッコいい人で、良かったな」
「………。」
勇也は私に、少し拗ねたように言った。
その時の勇也の顔は……うん、怒ってた。
怒ってたんだけど…、いじけているようにも見えて。
まさかとは思ったけど、
私にはある考えが思いついた。
「俺といるより、アイツといた方が楽しいんじゃね?」
「…。」
自嘲するかのようにハッと笑う勇也。
「ほら、行けば?アイツ、帰っちゃうけど?」
「───ねぇ、勇也。」
今、こんなことを聞く空気ではないのかもしれない。
もしかしたら、何 言ってんの? と、ますます機嫌を悪くさせちゃうかもしれない。
でも…
────私は、聞きたい。
「もしかして……
ヤキモチ…、ですか…?」
とんだバカな女だとは思うけど、
恐る恐る聞いてみた。
チラッと上目遣いで勇也の様子をうかがう。
すると、勇也は私は一瞬 私を見てから
手で顔を覆った。
「………水野が、あんなに楽しそうに喋ってるから」
───どきんっ。
え、あの、それって…
「や、ヤキモチって事で…いいの?」
思わずニヤけそうになる頬を必死に押さえて、
そう聞いた。
「俺は、ヤキモチ焼いたら、ダメなの?」
はっきりと耳に届いた、勇也の声。