等心大〜tou・sin・dai〜
父に似てる、なんて
正直ショック。
私は父が大嫌いだから。
父は
亭主関白を絵にかいたような人で
家庭では
ワンマンぶりを発揮してる。
自己愛が強くて
思いやりのない人。
私の目にはそう見える。
「ひいてあげることも覚えないと
誰が相手でも
長続きしないわよ」
――ひいてあげる?
友貴はいつも
ひいてくれてたのだろうか。
我慢してたのだろうか。
「お父さんはどーなの?
お母さんがいつも
ひいてるばっかりじゃん」
私がそう言うと
母は
とんでもない、という顔をした。
「そんなことないのよ」
私にはその答えは不満だった。
というか、
腑に落ちなかった。
「だってお父さんって
チョー自己中だよ?」
母は声をたてて笑った。
「そうね。
100あるうちの98は
私がひいてあげてるわね。
でもね、そのうち2の部分、
私が絶対譲れないってときには
お父さんはひいてくれるのよ」
「ふぅん…」
意外だった。
夫婦には、
やっぱり夫婦にしかわからない
絆のようなものがあるのだろう。
「絶対譲れないものを
わかってくれてるから
私はお父さんと
夫婦でいられるのかもね」
譲れないとき。
友貴にもあるんだろうか。
そのとき、
私は察して
ひいてあげられるのだろうか。
私はますます
自信がなくなった。
同時に
少しだけ、父に感動していた。
正直ショック。
私は父が大嫌いだから。
父は
亭主関白を絵にかいたような人で
家庭では
ワンマンぶりを発揮してる。
自己愛が強くて
思いやりのない人。
私の目にはそう見える。
「ひいてあげることも覚えないと
誰が相手でも
長続きしないわよ」
――ひいてあげる?
友貴はいつも
ひいてくれてたのだろうか。
我慢してたのだろうか。
「お父さんはどーなの?
お母さんがいつも
ひいてるばっかりじゃん」
私がそう言うと
母は
とんでもない、という顔をした。
「そんなことないのよ」
私にはその答えは不満だった。
というか、
腑に落ちなかった。
「だってお父さんって
チョー自己中だよ?」
母は声をたてて笑った。
「そうね。
100あるうちの98は
私がひいてあげてるわね。
でもね、そのうち2の部分、
私が絶対譲れないってときには
お父さんはひいてくれるのよ」
「ふぅん…」
意外だった。
夫婦には、
やっぱり夫婦にしかわからない
絆のようなものがあるのだろう。
「絶対譲れないものを
わかってくれてるから
私はお父さんと
夫婦でいられるのかもね」
譲れないとき。
友貴にもあるんだろうか。
そのとき、
私は察して
ひいてあげられるのだろうか。
私はますます
自信がなくなった。
同時に
少しだけ、父に感動していた。