すっぴん★
「嬉しい」
素が、満面笑みで囁いた。
「何が」
俊介が惚けた。
「分かっているくせに。君が泊まってくれる事がよ」
「こんな場面で、君と呼ぶか~。変だよ。俊介と呼んで」
俊介が、君と呼ばれた事に引っ掛かった。
「分かった。じゃ、これからは、俊介と呼ぶわ。あなたも、素と呼んで」
「分かった。素と呼ぶよ」
これ以後、二人は俊介、素と呼び合うようになった。
「名前で呼び合うと、恋人同士みたい」
素は名前で呼び合う事が、満更でもなさそうだ。
「俺たち。恋人同士では無かったのか」
俊介が呆れた顔をして。
「なあ~んだ。もう恋人同士だったのか。いつからそうなったの」
素も俊介につられて意地悪な質問を。