すっぴん★
「アレルギーが起きるまでの行動と、食べたり、飲んだりした物はこれだ
けか」
素が、ノートに書いたメモを見ながら、それらの行動を反芻していた。
「怪しい物とは・・・。幾ら考えても分からない」
素は暫くノートを見ながら考えていたが、考えるのを止めた。
そして、ベッドに行き、また横になった。
そんな紋々とする時が過ぎて、帰国の日となった。
「日本に帰れる」
そう思うだけで、素の気分が大違いに晴れやかになった。
アレルギーは、極力食事に気を配っているせいか、あれ以上には酷くならな
かった。
むしろ、気のせいかも知れないが、鏡の自分の顔は、マラソン当日よりも、
少し赤みが治まったように素には思えた。