すっぴん★

俊介は、そのノートにざっと目を通した。


「これ、凄いデータだね」


俊介が、いきいきと目を輝かせた。

「そうかしら。日系3世のドクターに言われたでしょう」

素がドクターとの会話を思い出していた。


「ええ、何を」
「金属アレルギー、化粧品アレルギーが考えられると言った後よ」
「・・・」

俊介は、あの場面を必至で思い出していた。


「確か、こんな事を言ったと思うの」

「あと、食物アレルギーも考えられますね。飲み物も、水以外は出来る
だけ飲まないように。食べ物も材料までメモして下さい。そして、アレ
ルギーが出た場合は、その食物を避けるようにして下さい。ってね」

素があの場面を思い出しながら、ドクターが言った言葉を再現した。


「ああ、覚えている。覚えている」
「確か、そんな事、言ったよね。でも、良く覚えているね」

俊介もドクターが言った言葉を、はっきりと思い出した。


「絶対に忘れないわよ」
「あのドクター、鋭いアドバイスをくれているもの」

素はあの時のドクターの顔を思い出し、心の中で頭を下げた。





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