すっぴん★
「嫌ね。そんなに見詰められたら、恥ずかしいわ」
素の顔をじっと見詰めている俊介に、素が文句を言った。
「どう変化するか、この目で確かめてやる」
「変化しないかも」
「必ず、変化する。必ずね」
「今日は徹夜で見張るつもり」
「ああ。あっ、こんな所にほくろがある。今まで、全く気付かなかっ
た。なぜだろう」
俊介は、素の右耳、すぐ下の所にある小さなほくろを発見した。
「・・・」
俊介がほくろを見ながら何かを言いたいのか、無言で口を動かせた。
口の動きから、き・れ・い、と言ったように素には思えた。
「き・ぶ・ん」
業と、素が違う言葉を発音した。