すっぴん★
「凄いわね」
舞台に感動した素が、小さな声で隣の席に座る俊介に。
「うん。想像以上」
俊介が小さな声で囁く。
だが、俊介の目は、舞台に釘付けに。
二人は、劇場ぎっしりの観客と共に2時間30分のドラマに酔い痴れた。
「良かったわね」
上演が終わり、素が感動の一言。
素が回りを見渡すも、誰一人として立ち上がる者はいない。
みな、演劇の余韻を味わっている様だ。
場内から音楽が消えると。
観客は一人、二人と立ち上がり、場内から消えて行った。
素と俊介も場内を後にして、劇場の外へ。