すっぴん★
二人は、今見たミュージカルの感想を話し合いながら、ビルの地下に
ある洒落たcaféへ。
「ビムの心境、良く分かるわ。私がビムだって、きっと同じ選択をし
たと思う」
席に腰を下ろすなり、素が先程観た『タイガークイーン』の感想を。
「女王の座を潔く捨てるのだから、女は強しだね」
俊介が相槌を打った。
ウエイトレスが注文を聞きに来たので、二人は珈琲とパンケーキを頼
んだ。
「ビムが追い掛けて来たのに、ヨナヤンは拒絶するじゃないの。あれ
って、残酷じゃない」
素が珈琲を啜りながら。
「俺は、そう思わない。ビムを愛しているからこそだと思う」
「そうかな」
「そうだよ」
女と男の立場の違いか、素の意見と俊介の意見が、中々噛み合わない。
二人は珈琲を飲みパンケーキを食べながら、暫しミュージカルの感想に
花を咲かせた。