すっぴん★
「あるあるある。俺の友達の彼女なんか、ベッドインしても化粧を
落とさない。朝、友達がお願いだから、素顔を見せてくれ、と言っ
たら、何と言ったと思う。素顔を見たけりゃ、私を殺してから、見
て頂戴だって。大こわ~」
米田渡の横に座る広野誠二も、すっぴんねたで、さらに話を盛り上
げた。
女たちは、しらーー。
男たちの馬鹿騒ぎを冷めた目で見詰めている。
「ぼぼぼ、僕は化粧した女性がいいな。第一、綺麗だよ。美しいよ。
化粧をしないと、病的だし。と言っても、白井さんが病的だという
意味じゃないですけど・・・」
女性たちの冷めた目に気が付いた端の席に座る小阪守が、どもりな
がら化粧した女性を擁護した。
「では、お聞きしますが、私のこの化粧は、厚化粧だと思いますか
?」
素の隣。彼女の親友で、ボランティアクラブの部長をしている平か
おるが、男たちに質問をした。
「厚化粧では・・・ない、ですよね。なあ、みんな、そう思うだろ」
素のすっぴんを褒めた鳥見俊介が、その場を繕う為に、皆に同意を
求めた。
「絶対にそう思う」
「俺も」
「僕も」
男たちが俊介の意見に同調した。
「では、私は・・・」
一番年下の一回生の大竹緑が、また同じ質問をした。