すっぴん★

「そうだよね。それって可笑しいよね」


俊介はかおるの話を聞いて、素は化粧品アレルギーでは無いという思
いをますます深めた。


「アレルギーが出た時も、彼女は間違いなくすっぴんだったの」


俊介が刑事のような鋭い質問を投げ掛けた。


「ええ、すっぴんやわ。大体、素が化粧をした顔を、私は大学入学以
来、一度も見た事あれへんわ。だから、間違いあれへんわ」


「大学に入学して以来、一度も彼女の化粧をした顔を見た事は無いの
か」
「・・・」

かおるが何も答えない。



「彼女は、化粧に関心が無いの」
「・・・」

「でも、すっぴんが化粧品アレギーになるかな。君はどう思う?」



(どうでもええやん。そんな事・・・)


かおるが急に不機嫌になった。



「・・・」

かおるは返事をしない。無言のままビールを一気に飲み干した。






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