すっぴん★

「すっぴん。すっぴん。何よ。どうでもええやん。そんな事。興味あ
れへんわ」


突然、かおるが豹変した。


「ど、どうしたの」
「口を開いたら、素、素、素と、素の話ばかり。ええ加減にしてくれ
へん」


素の事を尋ねてばかりいるので、かおるは切れたみたいだ。


「私に気があるとばかり思っていたのに、そうじゃなかったん。ほん
ま、頭に来るわ。素の事が聞きたいから、私を誘ったんやろ」


「ごめん。ごめん。そうじゃないよ。たまたま彼女の話題になったの
で、聞いただけだよ」


俊介は、咄嗟に嘘を付いてその場を繕うとした。


「嘘を言わんとって。こうなったら、自棄酒をたらふく飲んでやるか
ら。覚えときや。ほんま、馬鹿にしやがって・・・」


かおるは、言葉通りにビールをがむ飲みしている。






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