すっぴん★
「彼女は、この時も化粧をしていない。何と、口紅だって付けていな
いじゃないか。では、なぜ?」
俊介が首を傾げた。
いくら考えても、俊介には分からない。ただただ不思議。
次に、自分の写真を。
「俺だって、あの時は何も付けていなかった。化粧なんか当然してい
ないし、髪の毛も自然のままだ。アクセサリーは?」
「ネックレスもしていないし、ピアスもしていない。あっ、腕にブレ
スレットをはめている!抱き合った時、腕が彼女の頬に触れたかも・
・・」
「これか!?なら、金属アレルギーか。まじで」
俊介は、自分の写真を見詰めながら意外な言葉を口にした。
「あのブレスレットはと・・・」
俊介が咄嗟に腕を見た。
「はめていない。ええと、外したっけ」
俊介は、思い巡らすと洗面台に向かった。
「あっ、あった、あった」
俊介が、洗面台に置いてあるブレスレットを取り上げた。
それは、金の鎖のブレスレット。
金の鍍金が施されている安価なブレスレットだった。