すっぴん★
俊介は、逃げるようにして自宅に戻って来た。
ごろん。
ベッドの上に、そのまま大の字に。
ガラクタの山。
化粧が、まだらに剥げ落ちた滑稽なかおるの顔。
先程の嫌な思い出が、俊介の脳裏に鮮明に浮かび上がって来る。
俊介はそれらを慌てて打ち消した。そして、別の事に意識を集中した。
別の事とは。
素と入ったラブホテルでの事。
あの時、アレルギーの犯人探しの為に、スマホで写真を撮ったけ。
スマホのアプリをタップして、あの時の写真を液晶画面に。
「まず、彼女の写真から」
俊介は、親指とひとさし指を広げて写真を拡大した。
「これは、酷い」
俊介は、食い入るように写真を眺めた。
素の額には、赤くただれた湿疹のようなものが無数に出ている。