すっぴん★
「私は男には興味が無いんだよ。全くだよ。まじでね」
女装した高橋が、嫌に色っぽい目で素を見ている。
「男性に興味があるから、そんな格好しているじゃないの。じゃ、な
ぜ女装しているの」
「遊びだよ。自分だけでこっそり楽しむだけの。今日はお腹が空いた
ので、たまたまこの姿でコンビ二まで出て来たけど。これは、女装じ
ゃ無く、コスプレみたいなものなのよ」
そう言いながら、高橋が素に急接近して来た。
「そんなに近寄らないで。高橋君は厚化粧だから」
素が広げた手を前に出して、これ以上近づかないで、という素振りを
した。
「そうかなあ。厚化粧とは思わないけど」
高橋はしきりに首を傾げている。
「私、化粧品アレルギーなの。だから、化粧には敏感なの」
「まじで」
高橋が、大真面目な顔をして少し驚いた。