すっぴん★
「何のテスト?」
素の目が異常に輝いている。
「化粧品を腕の内側に塗って反応するか、試してみるテスト。反応し
なければ、その化粧品はシロという訳ね。あるだけ化粧品を試してみ
ればいい訳。もし、みんなシロなら・・・」
「みんなシロなら・・・」
素が、高橋の次の言葉を身を乗り出して待った。
「化粧品アレルギーの可能性は極めて低い。ホシは、他にいるって訳
ね」
女装に厚化粧の高橋が、格好と似つかわしくなく威厳を持って言った。
「ホシが他にいるって・・・。まるで、刑事事件みたいね。でも、高
橋君の言葉にも、一理はあるわ。そのテスト、やってみる価値はあり
そうね」
「でしょう。私も時には、いい事を言うでしょう。イッシッシー」
高橋が崩れた顔をして笑った。
長い黒髪を指で掻き分けながら、崩れた顔をして気持ち悪く笑う女装
の高橋。
素は、そんな高橋を見て心底キモイと思った。
「問題は、どこでテストするかね」
素が思案しながら。
「私んちのマンションですればいいじゃないの。絶対に変な事はしな
いから。約束するわよ。第一、妹もいるしね」
高橋が、いやに神妙な顔をして呟いた。