すっぴん★
「これで、私失礼します。今日は本当にありがとう。感謝しているわ」
素が、高橋と沙樹に向って頭を下げた。
「夜遅いから、私が送って行くわ。着替えるから待っていてね」
女装の高橋が男らしく。
「いいの。じゃ、甘えようかな」
「すぐに着替えるからね」
大真面目な顔をした高橋が、自分の部屋に大股で走って行った。
うっふっふ。
素が高橋の後ろ姿を見て、思わず吹き出してしまった。
女装した高橋の姿が、余りにも可笑しかったから。
(女装なのに丸で男だわ)
素は心の中から笑った。
高橋は、ミニのワンピースを穿いているのをすっかり忘れている様子。
男丸出しの大股で、女をかなぐり捨てて走り出している
うっはっはは、ははははは・・。
笑い出したら、もう素の笑いが止まらない。
「兄さんたら・・・」
ふっふっふ。
沙樹も、素につられて笑い出した。
二人は顔を見合わせ、お腹を抱えて笑い転げた。