すっぴん★
化粧品アレルギーで無いなら、いった何が犯人なの」
沙樹が腕組をしながら呟いた。
「それが、問題だわね。もしかして、金属アレルギーかも」
高橋が呟いた。
「それとも、食品アレルギーか」
「はたまた、別のアレルギーか。これは、朝まで掛かっても、解けな
いパズルだわね」
高橋と沙樹は、兄妹でアレルギーの犯人探しに夢中になっている。
「ありがとう。本当にありがとう。化粧品アレルギーで無い事がわか
っただけで、上首尾よ。沙樹さん、夜遅くまで付き合わせてしまって、
本当にごめんね」
素が沙樹の前に手を差し伸ばした。
沙樹がその手を握り締めた。
素が握った手に力を込めた。
「ありがとう」
これが、素の沙樹に対する心からの感謝の表明だった。