すっぴん★

素は高橋が喜ぶ顔を横目に、渋々合コンを約束させられてしまった事
に大きな溜息。のち、後悔。


「仕方が無い。お世話になったからなあ」

ぶつぶつと独り言を言いながら、素は自分を納得させていた。


深夜の街は、夜風が事の外、気持ちが良い。


(道連れは、高橋ではなく、あいつだったら・・・。どんなに楽しか
った事か。残念。無念。寂しく帰るねん)


素の気分は、急降下。
隣を歩く高橋は、すこぶる上機嫌。


二人は深夜の街を素の自宅に向って、それぞれの思いを胸に歩き続け
ていた。



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