すっぴん★

「まるで、お通夜みたい」


溜息を付きながら、素が思わず心の中で呟いた。
大体、やる気の無い合コンなんて、全く意味が無い。


期待も無ければ、オスと出会えるというメス特有の獣的なときめきも
無い。


あ~あ、つまらない。つまらない。超つまんない。


つまらない時が流れる退屈な時間。
素は、鳥見俊介の事を考えていた。


(あいつがこの場にいない。これが、そもそもムカツク。あいつがい
たら・・・。私の目を見る。じっと、見る。燃えるように、見る。そ
んなに見詰めないで。とろけるじゃないの)
(すッぴんが素敵だって・・・。まるで、生野菜のように新鮮だって
・・・。食べたいの?いいわよ。ばりばり召し上がれ・・・)


素は、妄想の世界で俊介と戯れ、俊介の火のような愛撫を受けていた。


(あ~あ。こうなったら、どうにでもして・・・)


素は、妄想の世界で熱く熱く俊介に抱かれていた。







< 93 / 273 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop