すっぴん★
その時、悲鳴のような甲高い声が上がった。
「何やこれ!ほら、小さいブツブツがいっぱい。あ~あ、痒い。ああ
、我慢出来へん。もう、いややわ」
ブランティア部の部長、平かおるが腕を捲り上げてもの凄い血相で。
「あっ、ここにも。いやや。首のまわりにも・・・。もう、信じられ
へん」
かおるは、蜂が突付いたように大騒ぎをしている。
素が、かおるの喚き声で我に返った。そして、腕や体中に素早く目を
這わせた。
「私は大丈夫みたい」
発疹も痒みも無い。
素がほっと胸を撫で下ろした。
「私だけ!本当に!信じられへん。他にはいてへんの。超みじめ」
かおるが仲間がいないか、泣きそうな目でみんなを見渡した。
「私は異常無し」
「俺も大丈夫」
「僕も変わりはないけど」
「良かった。異常が無くて」
合コンのメンバーが、自分自身を確認してそれぞれが安堵の顔を。