表と裏の恋


「急いでるなんて、なにか忘れたんですか?」

笑いながらあたしに近寄った
いつものように眼鏡をかけた表の顔
そして、朝の光景が甦る…



「ねぇ朝…女の子と一緒に来てたね」

唐突な発言に富樫くんは驚いた



「あぁ…同じクラスの人ですけど」

なんで一緒にいたの?

ふいに出かけた言葉を飲み込んだ
なんでこんなに気にするのよ…



「実羽さん…それやきもちですよね?」


「えっ?」

ちょうど授業の始まりのチャイムが鳴った
それと同時に富樫くんはあたしを壁に押し付けた

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