表と裏の恋
そして、またうち上がった花火
さっきの雨が嘘かのように舞い上がる
花火に夢中のあたしの手を富樫くんは握った
ゆっくりとあたしも握り返した
あの時のように暖かい手…
「実羽さん、何か買いに行きませんか?」
ケータイで時刻を見ると19時半
「うん!行く!」
屋台のところに行くと大勢の人だかり
たこ焼きを買って、さっきまでいた神社に戻ると…もう誰もいなかった
石段に座って、たこ焼きを食べた
20時半になると花火が終了した
静かになった空を見上げると星空が広がっていた
お互い何も言わず、ただ空を見ていた
ぞろぞろと帰っていく人達