表と裏の恋
「そろそろ…帰りますか?」
空を見上げたまま富樫くんは言った
「そうだね、帰ろっか」
立ち上がり
もう一度、空を見上げて星空を目に焼き付けた
駅に行くとちょうど電車が来ていた
最寄り駅までの時間が短く感じた
送っていくと言われ、あたしの家まで向かっている時だった
「今日、楽しかったですか?」
あたしの目を見て尋ねられる
「楽しかったよ!誘ってくれて、ありがとう」
楽しかった…
でも、ちょっと後悔したのは浴衣を着ればよかったということ