表と裏の恋


「そろそろ…帰りますか?」

空を見上げたまま富樫くんは言った



「そうだね、帰ろっか」


立ち上がり
もう一度、空を見上げて星空を目に焼き付けた


駅に行くとちょうど電車が来ていた
最寄り駅までの時間が短く感じた

送っていくと言われ、あたしの家まで向かっている時だった



「今日、楽しかったですか?」

あたしの目を見て尋ねられる



「楽しかったよ!誘ってくれて、ありがとう」

楽しかった…
でも、ちょっと後悔したのは浴衣を着ればよかったということ

< 45 / 216 >

この作品をシェア

pagetop