満月の人魚
昨日の零士の夕食の時の態度と相まって、瑠璃の中で様々な思いが渦巻く。

“昔は名前で呼び合ってただろ”

“瑠璃に従兄妹はいない”

瑠璃の中で黒沢の声が次第に大きくなっていく。

「……丈…瑠…。」

それは無意識であった。

囁くように黒沢の名前を呼んだその時ーー
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