ロリポップ
 願わくば、この恋が最後の恋になって欲しいと願う。


 胸がときめくのも、愛しく思うのも、全てが彼だけのものであって欲しいと。


 彼の大好きなロリポップのように、いつでも彼の側で甘いこの恋も続いていける事を祈ってる――――――。




 隣で眠る彼の栗色の前髪にそっと触れながら。


 いつかのように口付けをする。


「前にも同じ事、してましたね」


 不意に開かれた瞳に心底驚く。


「前にもって・・・気が付いていたの!?」


 真っ赤になる私を、裸の胸に抱き寄せながら。



「僕が知らないとでも思ってるんですか?」


 唇に落とされる優しいキスは、私の心までも包む。



「僕は草食系じゃないといったでしょ?どれだけ我慢した事か・・・・・」


 最後の言葉はキスの中へと消える。


「もう、我慢しなくてもいいでしょ?」


 組み敷かれたしたからくすくす笑う私を見下ろしながら、彼ははぁ~と大きく溜息を吐く。


「そんな事言って、知りませんよ?あなたは無防備すぎて・・・本当に見た目と違って可愛すぎる・・・・」


 文句なのか独り言なのか・・・・・。
 でも、そう言いながら触れる指先も唇も優しくて、蕩けるように甘かった・・・・・。





 ねえ、恩田君。

 甘い甘いロリポップみたいな恋をしようね。







                               END





















 
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