どんなに涙があふれても、この恋を忘れられなくて
へへっんと無邪気に笑う顔はきっと周りの女子をドキっとさせているんだろうけど
私はそうはならない。
だって、不満そうな女子の顔がこっちに向いているのだから。
不安に思いながらも、佐野くんの次の言葉を待っていると、星野くんはふとつぶやいた。
「何でもいいけど、争われても困る。」
その低い声は静かに響き、女子の心に伝えられる。
すると今まで鋭い目をこちらに向けてきた女子達は
「そ、そうだよね!
交流遠足なのにケンカしてたら意味ないよね」
慌ててそういうと口々に謝って
「班は佐野くんの言ってた通りにしよう!」
解決した。
星野くんすごい……。
というか、星野くん信者が恐ろしい。