確信に変わるまで


それから他愛のない話はするものの柳井お決まりの毒舌は影を潜めていて。



なぜ金曜の夜に同僚の女と楽しくもない酒をコイツは飲んでいるのかが謎過ぎてつい観察してしまう。



「そんなに見て、俺に惚れたか?」



「は?まさか。柳井の考えが読めないから見てただけよ」



「ふーん。でも悪くない」



「なにが?」



「だって今は俺だけの事を考えてる証拠だろ」




こ、こいつ!信じられないぐらい自意識過剰な男だ。



こんな言葉を吐かれたら私は引くだけだが、きっとこれで落ちる女もいるだろうなと思う。











< 9 / 14 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop