確信に変わるまで
夜8時。小上がりになった部屋で私と柳井は向かい合わせでグラスを傾けている。
私は美味しそうなつまみをありったけ注文し食べまくった。
こうでもしなきゃ、失恋の痛手も柳井の仕打ちも消えそうにない。
「お前、よく食うな」
「当たり前じゃない。奢りだもの」
「女、捨ててするよな」
「なに言ってんの。これから女上げてイイ男を捕まえるのよ」
「へー。そりゃあ見物だ」
柳井は頬杖をつきながら、ひたすら食べ続ける私を見ていた。