シークレット・ガーデン


風呂から出た真彩は、裸のまま脱衣所でスマホの電源を切った。


この家に着くなり、光俊からメールが着ていたことは、分かっていた。

でも、司のいる場所では読みたくなくて、スマホを脱衣所にまで持ってきた。




ーーーなんて返信しよう……


真彩は溜め息を吐いた。


意地を張っていても仕方ない。

ここにいれるのは、一晩だけ。

明日になれば、司は娘と釣りへ出掛け、自分は理亜と共に自宅に帰らなければならない。



光俊は謝罪している。


帰るしかない。


今夜だって何の準備もないままここに来たから、着替えもなくて困った。


ショーツはコンビニに寄った時、オムツと一緒に買っておいたけれど、ブラジャーはさすがに売っていなかった。
授乳中はどうしても汚れてしまうのに。



ーーーいいや、しなくて…


真彩は開き直る。

1日身に着けた物を再び使うのが、どうしても気持ち悪くて嫌だった。


胸は無防備な状態のまま、司のネイビーブルーのTシャツを頭から被る。


借りたTシャツはぶかぶかで、膝小僧が丸出しなのが気になった。



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