シークレット・ガーデン


それはまだいいとしても、それよりもっと問題なのが胸の部分だった。


ぴんとした乳首の形が、くっきりと分かってしまう。


(嫌だあ……)


自分で見ても恥ずかしい格好だった。


理亜を生んで母乳をあげるようになってから、真彩のその部分はすっかり変わった。

前はピンク色の小豆ぐらいの大きさだったのに、今では色も形も逞しい。



(こんなの司に見られたら、絶対変に思われちゃう…)


少し、湿っぽいけれど身体を拭くのに使った水色の大判のバスタオルを首から肩に広げるように掛け、両胸を隠すことにした。


これなら母乳が染みて、Tシャツを汚してしまってもばれずに済む。


(汚れたTシャツは持って帰って、洗濯させてもらおう。
借りたお金と一緒に宅配便で送ればいいよね……)



光俊に返信メールを打った。


[分かりました。]と一言だけ。


短いのは、光俊が妻は友人の優美子の世話になっている、と信じ切っていたからだ。

嘘をついていることに、少し後ろめたい気持ちがした。







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